鑑定が元気をくれた
180度、人生の方向転換
斉藤和子先生は、小さい頃から順風満帆な人生を歩んできました。
「なにかを我慢をしたり、親から凄く怒られたりした記憶もありません。
大学受験も一発で合格し、卒業後はシステムエンジニアになり、まじめな主人と結婚しました」
日本女子大学を卒業し、数学の教員免許も取得しています。退社をして家庭に入ってからは、自分で塾を始めて近所の子供たちに勉強を教えていました。
「もともと私は理数系で現実的な人間です。直感や霊感があるわけでもなく、占い関係に興味を持ったこともありませんでした」
ところがある時を境に、斉藤先生の人生が一変します。
「年末に母が亡くなり、たまたまつくばで年明けに手相を見てもらったんです。そしたら唐突に、あなたは遺産が入るかもね、と言われたんです。ビックリしました。どうしてそんなことがわかるの?!って」
鑑定をしたのは、東明学院のベテラン講師、森智恵子先生で、斉藤先生の好奇心を巧みにくすぐります。
「手相は統計学だから勉強をしてみると面白いわよ。深く学べば仕事にもなるし…」
結局斉藤先生は、母の遺産で授業料を収め、東明運命学を勉強し始めるのでした。
他人の人生がどんどん読める
「東明手相の理論の素晴らしさは、理数系の私だからこそ実感できるのかもしれません。勉強をした知識で、他の人生を読み取れる。それで自分のプライドが満たされていく。暫くはそんな快感が優先していました」
72歳の男性が相談に来ました。手相には、はっきりと神秘十字線と、ますかけ線が刻まれていました。
「神秘十字は、困難に直面した時に神様や先祖様に助けてもらえる線です。ますかけは、逆境に追い込まれた時に凄い力を発揮し、大器晩成も表しています」
相談に耳を傾けていると、男性はまさに手相通りの人生を歩んできたこと判ります。
「60歳の時に会社の資金繰りが苦しくなり、自殺を決意して、車で塀に思い切り激突したそうです。しかし車は大破したのに、ご本人は無事でした。その時、オレは生かされているんだと思い、一念発起して昼夜を問わず必死に働いた結果、億を超える財を成したとのことでした」
就職を控えた大学生の男性の相談を受けたこともあります。
「運命線がまったくありませんでした。結局彼は小さい頃から夢だった教師の仕事に就きます。運命線がないからといって、決して悲観することはありません。確かに運命線がはっきりと出ている人は、最前線で仕事を引っ張っていける人です。でも世の中は、すべてがそんな人ばかりでは成り立ちません。逆に人を支えていくタイプがいて、バランスが取れるのです。教師は、むしろ人をサポートする仕事ですからね。やっぱり運命に従って仕事を選んだんだと感心しました」
あるいは20歳台後半の女性は、専業主婦に憧れを抱いていたそうで
「35歳くらいで家庭に入るでしょう」と話すと大喜びで帰りました。彼女の運命線は35歳前後で、完全に消えていたのです。しかし数年後に再訪した彼女の運命は変わっていました。
「あれ?」
35歳で消えていた運命線が、さらに深く刻まれ伸びていたのです。
「残念ながら、婚期は遅くなりそうですね」
でも彼女は、納得したように「やっぱり」とうなづきました。最近仕事がとても面白くなり始めたそうなのです。斉藤先生も、鑑定しながら、つくづく手相がうそをつかないことを実感しました。
手相が人生の変化を映し出す
そんな斉藤先生が、ある出来事をきっかけに、人の幸せをサポートする歓びを感じるようになります。相談に来たのは30歳前後の女性でした。
「あなたは優しい手をしているので看護士向きね」
何気なく発したアドバイスでしたが、この一言が彼女の人生を変えました。数年後、看護士になった彼女が、斉藤先生に挨拶に来てくれたのです。
「本当に学校に入って勉強を始めたそうです。私のアドバイスを、こんなに真剣に受け止めてくれたんだ、と感激しました」
運命コンサルタントを始めた頃は、とても適職だとは思えませんでした。しかし仕事を続けているうちに、手相にも変化が見られるようになりました。
「知能性が下がり出して、精神世界を学ぶ適性を示すようになりました。運命線もはっきりと伸びてきて、晩年までしっかりと社会と係って生きていくことを表しています。さらに驚いたのは、私には無縁だった神秘十字線が出てきたことです」
東明手相の特徴は、徹底的に長所を伸ばすことです。東明会長は、よく斉藤先生のことを「傲慢」「生意気」などと言います。ただし反面「でもそれでいいんだよ」とも言っています。
「もちろん自分が傲慢だとは思いませんが、他人にブレーキをかけられるのは好きではありません。どちらかと言えば行動的で、やっちゃダメと言われるのが一番嫌いです。やってダメなら他のことをやればいいと思うタイプなので、会長の姿勢はとてもありがたいですね」
人前で話すのも、あまり好きではありませんでした。カルチャーの講師などを務めると、本当に疲れ切ってしまうそうです。でも手相を見る限り、実は大胆なタイプでもあるのです。
「講義を始める時は憂鬱だけど、ひとつ笑いが取れたりすると、どんどん乗ってくるんですよね」
どうやら斉藤先生は、天職に巡り合ったようです。そしてなによりそれを証明しているのが、ご自身の手相の変遷なのです。